西村寿行を安楽死から読みつくす

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zoom RSS 死(ザ・デス)神

<<   作成日時 : 2008/01/26 01:58   >>

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金鉱に恵まれ、政府の介入を最小限に留めた自治村・国分村。
法事に向かう途中、突如山間の中に現れたその整備された
街並に、安芸真澄と息子の守介は妖しげな空気を感じていた。
村の若者たちといざこざを起こしてしまった守介は、ふいをつかれ
一瞬のうちにおびただしい血にまみれてしまう。狂乱する
真澄に対し、若者はあろうことか、捕縛監禁の仕打ちを与え、
廃屋で真澄を奴隷化する。あまりに惨たらしい攻めを受ける真澄は
人間としての尊厳すら失いかけてしまう。しかし、真澄は守介の
仇を討つという一念から、首謀者の急所を叩き潰し、
脱出に成功する。一方、妻の消息を追って、国分村まで
たどり着いた、中央の刑事でもある真澄の夫・新八は、
村人の動揺から、事件の真相を八分方見抜き、国分村に
照準を定め、追求を始める。追いつめられた村の主だった人物は、
これもまた隠匿や譲歩という非人道的な対処をとり、事態を
さらに悪化させていく。怒りを増幅させた真澄は、森の鬼と化し、
事件を起こした若者たちを魔性の力で呼び寄せ、次々に喰らって
いく。恐怖に怯えた村側は、新八を拉致するという報復に出たが、
これが裏目となり、新八をも執鬼に駆り立て、無敵の鬼夫婦を
誕生させてしまう。八方を塞がれた村側は、船舶での決戦を
挑んだのだが。


アクション小説は、往々にして、恨みつらみ、復讐といった
背景を持っていますが、これほど、追う側の執拗な攻撃、
追われる側の意地汚い構図がはっきりしたお話はそうありません。
そんな、どこまでいってしまうの小説。

真澄さんが拉致されたときは、息子と妻のため、
新八が村人と戦うヤラレタ→ヤラレタ→ヤルの方程式かと
思いましたが、真澄さん自らすぐさま反撃。そして強い強い。
夫婦ともども鬼となり、あまりに強くなってくると、
村側は汚い手段に訴え、さらに夫婦がその上を行く
という波状攻撃の展開。この流れがあまりに畳み掛けられ、
折り重なってくると、息子の悲劇が、若干可哀相なほど
遠い過去の世界に追いやられ、夫婦は夫婦で笑みまで
こぼす始末。一周回って笑ってしまうというのはまさに
このことかと。

しかし村側の陰湿ぶりが、師の小説の中でも群を抜いています。
なんたって、長老、中堅、若者の三世代全てがどうしようもない。
長老は潔いようなポジションで描かれていますが、
何度も何度も、なんやかんやいって、警察に届けないという
悪辣ぶり。この村に金が出たと思うと怒り心頭です。

そうそう、あらすじからお察しのこととは思いますが、
電車で読みにくい度は、120%ですよ。


寿行’sキーワードその捌拾肆:物見遊山

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